オトマックス(Otomax®)とトライオティック(Tri-Otic®)は、犬の細菌・酵母(カビ)による外耳炎を治療するための、獣医師の処方箋が必要な耳用軟膏です。ジェンタマイシン(抗生物質)、ベタメタゾン(炎症止め)、クロトリマゾール(抗真菌剤)という3つの成分が協力して働く「コンボ剤」で、原因が複合している場合でも効果を発揮します。私たち飼い主が知っておくべきは、この薬は鼓膜が完全に健全な犬にのみ使用できるという点。使用前の獣医師の診察は必須です。また、FDAの正式な承認は犬のみですが、獣医師の判断で猫に「適応外使用」されることもあります。この記事では、効果的な使い方から副作用の対処法、日常の耳ケアまで、あなたが愛犬の耳の健康を守るために必要な知識を、具体的な体験談を交えてお伝えします。
E.g. :犬の尿路トラブルを徹底解説!症状・原因から治療・予防法まで
- 1、Otomax®とTri-Otic®とは?
- 2、Otomax®とTri-Otic®の使い方
- 3、考えられる副作用とその対処法
- 4、過剰摂取と保管方法について
- 5、耳の健康を守るための日常ケア
- 6、他の治療法との比較:選択肢を知ろう
- 7、獣医師との効果的な連携のコツ
- 8、耳の健康と全身のつながりを考えよう
- 9、新しい治療の選択肢を知っていますか?
- 10、多頭飼いの家で気をつけるべきこと
- 11、年齢別・犬種別の耳ケアのポイント
- 12、もし治療がうまくいかなかったら?
- 13、FAQs
Otomax®とTri-Otic®とは?
基本情報と承認状況
Otomax®とTri-Otic®は、同じ処方箋が必要な耳用軟膏のブランド名です。ジェンタマイシン、ベタメタゾン、クロトリマゾールという3つの有効成分が含まれています。
この薬は、犬の外耳炎の治療に使われます。特に、Malassezia pachydermatisという酵母(カビの一種)と、抗生物質ジェンタマイシンに感受性のある細菌が原因の感染症に効果的です。現在、FDA(アメリカ食品医薬品局)の承認は犬のみですが、獣医師の判断で猫や他の哺乳類に「適応外使用」されることがよくあります。適応外使用とは、薬のラベルに書かれていない方法や動物種に使用することです。あなたのペットにこの薬が適しているかどうかは、必ず獣医師が判断します。
3つの成分がチームを組む理由
なぜ3つの成分が一緒になっているのでしょうか?それは、耳の感染症が複数の原因で起こることが多いからです。
ジェンタマイシンは細菌を、クロトリマゾールは酵母を、それぞれ退治します。そしてベタメタゾンは、炎症を抑えてかゆみや腫れを和らげ、ペットの苦痛を軽減するのです。これらが協力して働くことで、より総合的な治療が可能になります。ただし、この薬が効かない微生物が原因の場合もあるので、治療後に改善が見られない時は、獣医師にすぐ相談しましょう。使用前には、鼓膜が破れていないか獣医師に確認してもらうことが絶対条件です。鼓膜に穴が開いている犬には使用してはいけません。
Otomax®とTri-Otic®の使い方
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正しい投与方法とポイント
基本的に、1日1回、感染した耳の穴に直接、7日間連続で点耳します。1回の滴数は、ペットの大きさと感染の重症度によって変わってきます。
投与する前に、外耳道をきれいに掃除して、よく乾かすことが非常に重要です。薬がきちんと患部に届かないと、効果が半減してしまいます。耳の毛が長いワンちゃんは、毛を短くカットしてもらうと、薬が届きやすくなり、治療がスムーズに進みますよ。私も以前、耳ダニに悩んでいたチワワを飼っていましたが、耳の周りの毛を整えてから薬を使うと、本当に扱いやすくなったのを覚えています。
投与を忘れたら?よくある疑問に答えます
「うっかり1回分の投与を忘れてしまった!どうしよう?」そんな経験、ありますよね。
まずは慌てずに、かかりつけの獣医師に連絡して指示を仰ぎましょう。一般的には、気づいた時にすぐに投与するように言われることが多いです。ただし、次の投与時間がもうすぐの場合は、忘れた分は飛ばして、通常のスケジュールに戻すように指示されるかもしれません。いずれにせよ、自己判断で2回分を一度に与えたり(二重投与)、余分に与えたりするのは絶対にやめてください。薬の濃度が高くなりすぎて、思わぬ副作用を引き起こす可能性があります。
考えられる副作用とその対処法
一般的な副作用と注意すべきサイン
最もよく見られる副作用は、塗布部位の局所的な刺激です。具体的には、赤み、水ぶくれ、皮むけ、腫れ、かゆみ、じんましんなどが挙げられます。
また、推奨されている7日間を超えて長期間使用すると、傷の治りが遅くなる可能性があります。ごく少数の、感受性の高い犬や高齢犬では、難聴や聴覚喪失が報告されています。多くの場合、この聴覚障害は一時的なものですが、治療中に耳が聞こえにくそうにしていたり、首をかしげたり、くるくる回る(前庭障害の兆候)などの症状が見られたら、直ちに軟膏の使用を中止し、耳の穴を無毒な洗浄液で十分に洗い流してください。そして、すぐに獣医師に連絡しましょう。あなたの迅速な対応が、ペットの健康を守るカギになります。
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正しい投与方法とポイント
ペットの様子がおかしいと感じたら、迷わずプロに相談しましょう。
上記のような重篤な副作用が見られた場合、治療をしているのに症状が悪化する、あるいは全く改善しない場合、薬を過剰に投与してしまった可能性がある場合、そして何か疑問や心配事が生じた場合には、必ず獣医師に電話をしてください。私たち飼い主ができる最善のことは、「おかしいな」と思ったら、早期に専門家の助けを求めることです。また、この薬は人間用ではありません。誤って飲み込んだり、塗布後に皮膚に刺激を感じた場合は、直ちに医療機関を受診するか、毒物情報センター(800-222-1222)に連絡してください。
過剰摂取と保管方法について
万が一の過剰摂取に備えて
これらの製品による過剰摂取は一般的ではありませんが、感受性やアレルギー反応は起こり得ます。
もしあなたのペットが、難聴、完全な聴覚喪失、首かしげ、旋回運動などの前庭疾患の兆候を示したら、すぐに獣医師に連絡してください。また、誤って大量に飲み込んでしまった場合、全身的な問題(浮腫、体重増加、異常な喉の渇きと多尿など)が生じる可能性があります。過剰摂取を疑ったり、製品を誤飲した場合は、獣医師、緊急動物病院、または動物毒物管理センターに直ちに連絡を。相談には通常、手数料がかかることを覚えておきましょう。
正しい保管で薬の効果をキープ
Otomax®とTri-Otic®は、華氏36度から77度(摂氏約2度から25度)の室温で保管します。冷蔵庫に入れる必要はありませんが、高温多湿や直射日光は避けてください。
使用前には、必ずよく振ってから使いましょう。成分が均一に混ざり、効果が安定します。保管条件は製品のラベルで必ず確認してください。そして何より、子供や他のペットの手(口)の届かない場所に保管する。これはすべての薬に共通する、最も基本的で重要なルールです。私は薬箱を高い棚の奥にしまっていますが、それでも好奇心旺盛な子猫には油断できません!
耳の健康を守るための日常ケア
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正しい投与方法とポイント
「薬に頼る前に、普段からできることはないの?」とよく聞かれます。もちろんあります!
定期的な耳のチェックと軽い清掃は、感染予防の第一歩です。お風呂上がりや散歩の後、耳の中が湿ったままになっていないか確認しましょう。特に垂れ耳の犬種は通気性が悪く、蒸れやすいので要注意です。専用のイヤークリーナーで優しく拭き取る習慣をつけると良いですね。ただし、綿棒で耳の奥までゴシゴシ掃除するのは逆効果。鼓膜を傷つけたり、汚れを奥に押し込んでしまう可能性があります。あくまで見える範囲の優しいお手入れを心がけましょう。
食事と生活環境も大切な要素
実は、耳の健康は全身の健康状態と深く関わっています。
アレルギー体質の犬は、皮膚炎と併せて外耳炎を繰り返しやすい傾向があります。あなたの愛犬が頻繁に耳を気にしているなら、フードに含まれるタンパク源(鶏肉や牛肉など)が合っていない可能性も考えられます。獣医師と相談の上、低アレルゲンの食事に変えてみると、症状が改善するケースもあります。また、生活環境を清潔に保つことも重要。特に梅雨時や夏場の高温多湿は、細菌や酵母の繁殖を促します。室内の換気を良くし、寝床を清潔に保つことで、耳トラブルのリスクを下げることができますよ。
他の治療法との比較:選択肢を知ろう
様々な耳薬の特徴を知る
Otomax®/Tri-Otic®は3種類の成分を含む「コンボ剤」ですが、他にも様々なタイプの耳薬があります。
例えば、抗生物質とステロイドのみの組み合わせ、抗真菌薬のみ、または洗浄液だけの製品もあります。あなたのペットの感染症の原因が「細菌のみ」と特定されれば、抗生物質単体の薬が処方されるかもしれません。逆に、「酵母(カビ)のみ」が原因なら、クロトリマゾールのような抗真菌薬がメインの治療になります。獣医師は、耳垢の検査(顕微鏡観察)で原因を特定し、最も適した薬を選択します。一概に「強い薬が良い」わけではなく、「原因にピンポイントで効く薬」を選ぶことが、早期回復と副作用リスク軽減のカギなのです。
治療法選択の判断材料
では、どの治療法が良いのか、どう判断すればいいのでしょうか?次の表は、一般的な耳の治療オプションを簡単に比較したものです。
| 治療タイプ | 主な成分/目的 | 適しているケース | 一般的な使用期間 |
|---|---|---|---|
| コンボ剤 (Otomax®など) | 抗生物質+抗真菌+炎症止め | 原因が特定できない、または複合感染が疑われる初期治療 | 約7日間 |
| 抗生物質単剤 | 細菌を殺す | 細菌検査で特定の細菌が確認された場合 | 細菌の種類による(約7-14日) |
| 抗真菌剤単剤 | 酵母(カビ)を殺す | 顕微鏡で酵母が多数確認された場合 | 約2-4週間(再発防止のため長め) |
| イヤークリーナー | 耳垢・汚れの除去、乾燥 | 日常的な予防、または薬剤治療の補助 | 継続的・必要時 |
(注:表の使用期間は一般的な目安です。実際の治療計画は獣医師の指示に従ってください。)この表を見ると、Otomax®のようなコンボ剤は「まずはこれで様子を見る」という広い範囲をカバーする選択肢であることがわかります。しかし、原因がはっきりしている場合は、より特化した薬を使う方が効率的かもしれません。あなたのペットに最適な道を、獣医師と一緒に見つけていきましょう。
獣医師との効果的な連携のコツ
診察時に伝えるべきこと
獣医師に症状を正確に伝えるのは、時に難しいですよね。特にペットは言葉を話せませんから。
診察を受ける時は、「いつから」「どの耳が」「どんな様子か」をメモしておくのがおすすめです。例えば、「左耳を3日前から頻繁にかきむしり、茶色いベタベタした耳垢が出るようになった」など、具体的に伝えましょう。スマホで動画を撮影しておくのも、とても有効です。家で首を振る様子や、耳を床にこすりつける動作などは、診察室では見せてくれないことが多いからです。これらの情報は、獣医師が正確な診断を下すための貴重な手がかりになります。あなたの観察眼が、愛犬・愛猫の治療を助けるのです。
治療経過の記録とフォローアップ
治療が始まったら、その経過を簡単に記録する習慣をつけましょう。
投薬した日時、耳の状態の変化(赤みは減ったか、かゆがり方はどうか)、そして何か気になることが起きなかったか。これをメモしておくと、次回の診察で「薬を使い始めて3日目からかゆみが少し落ち着いた」など、経過を明確に報告できます。また、獣医師から「1週間後にまた見せてください」と言われた場合は、必ずその予定を守りましょう。症状が良くなったように見えても、内側で感染が残っている可能性があります。自己判断で治療を中止すると、再発や耐性菌の発生につながり、次の治療を難しくしてしまうのです。私たち飼い主と獣医師がチームとなって、最後まで治療を完走させることが大切です。
耳の健康と全身のつながりを考えよう
皮膚は一枚つながっている!
耳のトラブルは、実は皮膚の病気の一部だと考えてみませんか?外耳道の皮膚は、体の他の部分の皮膚とつながっています。
だから、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーを持っているワンちゃんは、耳にも症状が出やすいんです。体がかゆいと、耳を引っかいて傷つけ、そこから細菌が入って二次感染を起こす…という悪循環に陥りがち。耳の治療だけを続けても、根本的なアレルギーをコントロールしなければ、またすぐに再発してしまう可能性があります。あなたの愛犬がしきりに足の裏を舐めたり、顔をこすりつけたりしていませんか?それらは全て、皮膚のバリア機能が弱まっているサインかもしれません。耳のケアは、全身の皮膚の健康管理の一環として捉えると、より効果的な予防ができるようになりますよ。
ストレスが耳に与える意外な影響
「ペットにもストレス?」と思うかもしれませんが、もちろんあります。引っ越し、家族構成の変化、長時間のお留守番…これらは全てストレスの原因になります。
ストレスがかかると、体の免疫力が一時的に低下します。すると、普段は大人しくしている皮膚の常在菌(マラセチアなど)が増殖しやすくなり、結果として耳の炎症を引き起こすことがあるんです。特に神経質な性格の子は要注意。我が家の猫は雷が大嫌いで、怖がって耳を立て続けに掻きむしり、赤くしてしまったことがありました。環境の変化に敏感な子ほど、心のケアも大切だということを、私は身をもって学びました。安心できる隠れ場所を作ってあげたり、フェロモン製品を利用するなど、ストレスを和らげる工夫も、耳の健康を守る立派な予防策のひとつです。
新しい治療の選択肢を知っていますか?
経口薬や注射での治療という道も
「耳に薬を塗るのが本当に大変…」そんな悩み、多くの飼い主さんが持っていますよね。特に暴れる子や、痛がって触らせてくれない子には、点耳は毎回の戦いです。
実は、状況によっては経口薬(飲み薬)や注射での治療が選択肢になる場合があります。例えば、耳の奥深くまで炎症が及んでいて軟膏が届きにくい場合や、非常に痛がって局所治療が困難な場合です。全身性のアレルギーが背景にあるなら、アレルギーそのものをコントロールするための飲み薬を併用することで、耳の症状が劇的に改善することもあります。もちろん、全てのケースに当てはまるわけではありませんし、経口薬にも副作用のリスクはあります。でも、「点耳だけが全てではない」という選択肢の存在を知っておくだけで、もしもの時に獣医師と相談する材料が増えるはずです。
サプリメントや漢方の可能性
西洋医学的な薬だけが治療法ではありません。補完的なアプローチとして、サプリメントや漢方薬に注目が集まっています。
オメガ3脂肪酸(魚油など)は、皮膚の炎症を抑える働きがあると言われています。また、プロバイオティクス(善玉菌)は腸内環境を整え、結果として免疫バランスを改善し、アレルギー症状を緩和するのに役立つ可能性があります。漢方では、「水毒(体に余分な水分が溜まった状態)」が皮膚トラブルを引き起こすと考え、体質改善を目指す処方もあります。ただし、これらはあくまで補助的な役割です。薬の代わりになるものではなく、必ず獣医師に相談した上で、正しい治療と並行して試すようにしましょう。「自然のものだから安全」と過信するのは危険です。あなたのペットに合うかどうかは、個体差が大きいことを覚えておいてください。
多頭飼いの家で気をつけるべきこと
感染はうつるの?隔離は必要?
「一匹が外耳炎になったら、他の子にもうつる?」これはとても重要な質問です。
答えは「原因による」です。細菌や酵母(マラセチア)の中には、接触感染する可能性があるものもあります。特に、グルーミング(舐め合い)の習慣がある猫や、よくじゃれ合う犬同士では注意が必要です。ただし、アレルギーが原因の場合は「うつる」ことはありません。まずは獣医師に、今回の感染の原因が何なのかを確認しましょう。もし感染のリスクが高いと言われたら、一時的に寝床や食器を分けたり、患耳を触った後は手を洗うなど、簡単な衛生管理を心がけると良いでしょう。過度に隔離してストレスを与えるより、清潔を保ちながら普通に接することが、結局は全員の健康にとって良い結果につながります。
薬の管理と投与ミスを防ぐコツ
家に複数のペットがいると、誰にどの薬をいつ与えたか、混乱しがちです。
私は、冷蔵庫のドアに簡単なカレンダーを貼って、投与したらすぐにチェックを入れています。スマホのリマインダー機能を使うのも効果的です。さらに、薬のチューブ自体にペットの名前を書いたマスキングテープを貼っておくと、間違える心配がありません。もしも誤って健康な子に薬を点耳してしまったら?まずは慌てず、耳を優しく拭き取り、かかりつけの獣医師に電話で相談しましょう。一回の誤投与で即座に大きな問題になることは稀ですが、自己判断でそのままにせず、必ずプロのアドバイスを受けることがあなたの責任です。小さな工夫が、大きな事故を防ぎます。
年齢別・犬種別の耳ケアのポイント
子犬・老犬では何が違う?
ライフステージによって、耳のトラブルの原因やケアの重点は変わってきます。
子犬の時期は、耳ダニによる感染が非常に多いです。また、免疫力が未熟なため、様々な感染症にかかりやすい時期でもあります。一方、シニア犬になると、加齢による免疫力の低下や、長年のアレルギーの蓄積、ホルモンバランスの変化(甲状腺機能低下症など)が原因で、慢性の外耳炎に悩まされることが増えます。老犬は痛みの感覚も鈍くなっていることがあるので、飼い主さんが定期的に耳の中をチェックして、異変に早く気づいてあげることが何より大切です。「年を取ったから仕方ない」と諦めず、その子の年齢に合ったケア方法を獣医師と一緒に考えていきましょう。
垂れ耳 vs 立ち耳、毛の量で変わるケア
犬種によって耳の形は様々。それに合わせてケア方法も少しずつ変えるのがベストです。
コッカースパニエルやバセットハウンドのような垂れ耳種は、耳の中が蒸れやすく、通気性が最悪です。週に1〜2回は耳をめくって風を通してあげるイメージで、中を乾いた状態に保つ努力が必要です。逆に、シェパードのような立ち耳種は通気性が良いですが、その分ほこりや異物が入りやすいというデメリットがあります。耳の中に毛がびっしり生えているプードルやテリア種は、定期的な抜毛(耳毛抜き)が必要な場合もありますが、やりすぎは逆に皮膚を傷つけるので、トリマーさんや獣医師に相談するのが安全です。次の表は、代表的な犬種タイプ別のケアの頻度の目安です。
| 耳のタイプ | 代表犬種例 | 主なリスク | お手入れ頻度の目安 |
|---|---|---|---|
| 長く垂れた耳 | コッカースパニエル、ビーグル | 蒸れ・通気不良 | 週2〜3回のチェックと軽い清掃 |
| 立ち耳 | シェパード、柴犬 | 異物の侵入 | 週1回のチェック、散歩後の汚れ確認 |
| 耳道内に密生毛 | プードル、シュナウザー | 毛による耳垢の滞留 | 月1回の毛の手入れ(抜毛やカット)を検討 |
(注:頻度はあくまで健康な状態での目安です。既に炎症がある場合は獣医師の指示に従ってください。)このように、あなたの愛犬の「耳の形」を知ることは、効果的な予防ケアの第一歩です。みんなが同じ方法で良いわけではないんですよね。
もし治療がうまくいかなかったら?
「耐性菌」という壁
きちんと薬を使っているのに、なかなか良くならない…そんな経験はありませんか?その背景には、「耐性菌」の問題が潜んでいるかもしれません。
耐性菌とは、抗生物質が効きにくくなった細菌のことです。Otomax®に含まれるジェンタマイシンに対しても、耐性を持つ細菌が存在します。過去に何度も抗生物質を使ったことがある場合や、治療の途中で自己判断で薬をやめてしまった場合などに発生リスクが高まります。もし治療が思うように進まない場合は、獣医師に耳垢の細菌培養検査を提案してみても良いでしょう。どの薬が最も効果的かを調べる検査で、これによりピンポイントの治療薬を選ぶことができるようになります。闇雲に強い薬を使い続けるよりも、賢い選択です。
外科手術という最終選択肢
あらゆる内科治療を試しても慢性化してしまう、非常に重度の外耳炎の場合、最終的な選択肢として外科手術が検討されることがあります。
「耳道切除術」と呼ばれる手術で、垂直耳道という部分を開いて通気性を良くしたり、重度の場合は耳道全体を摘出することもあります。聞くと少し怖いですが、長年痛みやかゆみに苦しんでいた子が、手術後には別人のように快適になるケースも少なくありません。もちろん、手術には麻酔のリスクも伴います。あなたが考えるべきは、「この子のQOL(生活の質)を上げるために、今何がベストなのか」ということ。信頼できる獣医師と、手術のメリット・デメリット、術後の生活について、納得がいくまでじっくり話し合う時間を持ちましょう。私たちにできるのは、ペットにとって最善の道を、知識を持って共に考えることです。
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FAQs
Q: オトマックスとトライオティックは、どんな耳の病気に効くのですか?
A: 主に、細菌やマラセチアという酵母(カビの一種)が原因で起こる「外耳炎」の治療に用いられます。3つの成分がそれぞれ役割を分担しており、ジェンタマイシンが細菌を、クロトリマゾールが酵母を退治し、ベタメタゾンが炎症やかゆみ、腫れを抑えます。つまり、原因が単一ではなく「細菌と酵母の混合感染」や、炎症がひどい場合に特に効果が期待できる薬です。ただし、耳ダニやアレルギーが主原因の場合は、別の治療が必要になります。効果を最大限に引き出すためには、まず獣医師が耳垢を顕微鏡で検査し、本当にこの薬が適しているかを判断することが不可欠です。私の経験上、茶色くベタついた耳垢が出る場合は酵母感染の可能性が高く、この薬がよく処方されます。
Q: 猫にも使っても大丈夫ですか?
A: 現在、アメリカFDAの正式な承認は犬のみとなっています。しかし、獣医師の診断と責任のもとで、猫を含む他の動物に「適応外使用」されることは実際によくあります。これは、薬のラベルに記載されていない使い方ですが、臨床的な経験から有効性が認められているためです。重要なのは、あなたが自己判断で犬用の薬を猫に使わないこと。猫は犬よりも薬剤に対する感受性が高く、副作用のリスクが異なります。必ず獣医師に相談し、猫の状態を診察してもらった上で、使用の可否と適切な量を決定してもらいましょう。私たちができる最善のことは、専門家の指示に従うことです。
Q: 投与する時に、特に気をつけることは何ですか?
A: 最も重要なポイントは「鼓膜の確認」と「耳の清掃」です。まず、鼓膜に穴が開いている(穿孔している)犬にこの薬を使うと、中耳や内耳に薬剤が入り込み、重篤な障害(難聴や平衡感覚の喪失)を引き起こす恐れがあります。使用前には必ず獣医師が鼓膜をチェックします。次に、薬を入れる前には、専用のイヤークリーナーで耳垢や分泌物を優しく取り除き、よく乾かしましょう。汚れが残ったまま薬を入れても、有効成分が患部に届かず、効果が半減してしまいます。耳毛が豊富な犬種の場合は、毛を短くカットしてもらうと、薬が奥まで届きやすくなりますよ。
Q: 副作用が心配です。どんな症状に注意すればいいですか?
A: 比較的よく見られるのは、塗った部位の刺激反応です。耳の内側が赤くなる、かゆみが増す、軽く腫れるなどの症状が現れることがあります。また、ごく稀ですが、高齢犬や感受性の高い個体では、一時的な難聴や、首をかしげる・歩行時にふらつくなどの「前庭障害」の症状が報告されています。治療中にこのような変化に気づいたら、直ちに投薬を中止し、獣医師に連絡してください。さらに、推奨されている7日間を超えて長期間使い続けると、傷の治りが遅くなることがあります。副作用を最小限に抑えるためには、指示された用法・用量と期間を厳守することが何よりも大切です。
Q: 投与を1回忘れてしまいました。どうすればいいですか?
A: まず慌てずに、基本的には気づいた時にその回の分をすぐに投与します。ただし、次の投与時間が非常に近い場合(例えば、1日1回の投与で、忘れたことに気づいたのが次の投与の数時間前の場合など)は、忘れた分は飛ばして、次の予定時間から通常通り再開する方法が取られます。絶対にやってはいけないのは、忘れた分を取り戻そうとして2回分を一度に与えたり(二重投与)、投与間隔を極端に縮めたりすることです。これは過剰投与につながり、副作用のリスクを高めます。心配な時や判断に迷った時は、自己判断せず、かかりつけの獣医師に電話で確認するのが一番安全です。
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